Editorial notes

台湾から、
庭と都市を
考える。

実際に訪ねた場所、読んだ資料、人との対話を手がかりに、日本庭園、文学、台湾と日本、都市と住まいについて書いています。

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最近、
四つの問いを
追っています。

庭を見つめた人々は、そこに何を見たのか。異なる土地で庭園はどう生きるのか。伝統を深く知ることは、なぜ前衛につながるのか。そして、一つの庭園の物語は、どう台湾へ戻ってくるのか。十三篇の記事を、四つの流れに編み直しました。

  1. 01

    庭を見つめた人々は、
    そこに何を見たのか。

    川端康成、小泉八雲、湯川秀樹、スティーブ・ジョブズのまなざしから、山河、記憶、暮らし、美の感覚を読む。

  2. 02

    庭園は、
    どう生き続けるのか。

    森へ注いだ時間、設計の細部、完成後の手入れをつなぐ。

  3. 03

    伝統は、
    なぜ前衛になるのか。

    重森三玲、東福寺、そしてガラス枯山水。

  4. 04

    庭園の物語は、
    どう台湾へ戻るのか。

    新渡戸稲造から橋頭糖廠、八田與一へ。

1938年の川端康成の肖像と京都・龍安寺方丈庭園の枯山水
画像:川端康成(1938年)京都・龍安寺|いずれもWikimedia Commons・パブリックドメイン
Reading line 01 · 人物と庭園

四人の目を通すと、庭園は景色以上のものになる。

川端康成は、水墨画、不均整、枯山水、一輪の花をたどり、限られた石や水が、そこにない山河を呼び起こす力を語りました。小泉八雲は、松江の武家屋敷で、石の個性、蝉の声、植物、ヒキガエルまでを見つめました。湯川秀樹は、幼い日の「庭の構図」を胸に、京都・下鴨の庭と二十四年を暮らしました。スティーブ・ジョブズは西芳寺へ繰り返し足を運び、一度では見終えられない庭の複雑さとまとまりに向き合いました。四篇を続けると、日本庭園が文学、記憶、想像力、日々の暮らし、そして美の感覚へ開かれていきます。

  1. 01 川端康成と日本庭園:小さな庭に、なぜ山河が見えるのか 1968年のノーベル賞記念講演から、不均整、枯山水、一輪の花をたどり、限られた庭が、そこにない山河を呼び起こす仕組みを読む。
  2. 02 小泉八雲は日本庭園に何を見たのか 石の個性、蝉の声、植物、ヒキガエル。松江の武家屋敷に暮らした異邦人が、庭を一つの生活世界として見つめた。
  3. 03 湯川秀樹と日本庭園|庭とともに暮らすということ 幼い日の「庭の構図」から、下鴨の南天、苔、金木犀、鳥の声まで。庭と暮らした二十四年をたどる。
  4. 04 スティーブ・ジョブズと西芳寺|一度では見終えられない庭 京都に名庭は数多い。それでも、なぜ西芳寺へ何度も戻ったのか。苔、池水、石組、自然の成長と長年の手入れから考える。
重森三玲の庭園、石組、実測研究を重ねた記事画像
重森三玲|実測、石組、そして東福寺へ
Reading line 03 · 伝統と前衛

伝統を踏まえた、
次なる一歩。

重森三玲は、全国の古庭園を実測し、伝統の形と構造を徹底して学びました。東福寺では「何ひとつ捨てない」という条件から前衛を生み、西中千人はガラスという現代の素材を、法然院の参道と枯山水の時間へ接続しました。三篇を続けて読むと、過去をなぞらずに伝統の先へ進むための筋道が見えてきます。

  1. 01 重森三玲|日本庭園の過去を測り、その未来をつくった人 約350庭園の実測から東福寺、岸和田城、漢陽寺へ。伝統を研究しながら、その先をつくった生涯。
  2. 02 東福寺本坊庭園|「捨てられない石」が重森三玲の前衛を生んだ 東司の礎石は北斗七星に、古い切石は市松に。捨てられない材料が、まだなかった構想を引き出した。
  3. 03 西中千人のガラス枯山水|未来の伝統を創る 法然院《つながる》と重森千靑との対話から、ガラスが枯山水の新しい語彙になる瞬間を読む。
新渡戸記念庭園、橋頭糖廠、五分車を重ねた記事のカバー画像
Reading line 04 · 台湾と日本

一つの庭園の物語が、台湾へ戻ってくる。

UBCの新渡戸記念庭園を起点に人物の足跡をたどると、1901年の『糖業改良意見書』、橋頭糖廠、さらに烏山頭ダムと嘉南大圳へと話が続きます。庭園から始まった問いが、台湾の産業、水利、土地の記憶へつながっていきます。

  1. 01 一通の意見書と、一つの製糖工場|新渡戸稲造と台湾・橋頭 新渡戸の台湾での仕事と、製糖業が土地、交通、暮らしを変えた百年余りをたどる。
  2. 02 「太平洋の橋」から烏山頭ダムへ――八田與一が遺したもう一つの橋 水利事業が水と土地を結び、台湾と日本の間に長く複雑な記憶を残していった過程をたどる。
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